そもそも、何故竹細工をしているのか?(その22)~竹バッグ旋風と、弟子40人伝説の巻~

そもそも、何故竹細工をしているのか?シリーズ

~竹バッグ旋風と、弟子40人伝説の巻~

竹のハンドバッグ――。
これが、私の人生を大きく変えてしまいました。

最初は「本当に売れるのかな?」くらいの気持ちだったのですが、世の中、何が当たるかわかりません。

ある日、あの有名な通販雑誌「通販生活」に掲載されたところ……

なんと、注文800個!

……いやいや、800個って。
竹バッグって、コンビニのおにぎりみたいに量産できませんからね(笑)

工房は一気にフル回転。
この年は、なんと弟子を4人も迎えることになりました。

しかも、そのうち二人は60歳からの弟子入り。

普通なら「定年後はのんびり」なのに、
うちでは「定年後に竹を編む」という謎ルートです。

でも、これがまた凄かった。
毎日切磋琢磨するうちに、みんなメキメキ上達。
若い弟子二人は、後に国認定の「伝統工芸士」にまで成長しました。

振り返れば、今まで育てた弟子は40人ほど。

その中で、

  • 伝統工芸士になった者が4人
  • 今でも竹工芸で生計を立てている者が約6割

これは、ちょっと自慢してもいいかなと思っています。

竹バッグ人気は、どんどん広がっていきました。

作り始めて5年ほど経った頃、
試しに「全国伝統的工芸品展」に応募してみたのです。

すると――

まさかの「伝統技術研究賞」受賞!

グランプリではありませんでしたが、
「これから伸びる作品」として評価されたのが、本当に嬉しかったですね。

表彰式では東京ドームへ。
山奥で竹を編んでいた人間が、東京ドームですよ。

人生って、本当にわからない(笑)

さらに時代も変わり始めていました。

昔は、

「作品だけ売れればいい」

という時代。

でも次第に、

「誰が、どこで、どんな思いで作っているのか?」

そこまで含めて、作品として見てもらえる時代になってきたのです。

デパートで実演販売を頼まれることも増え、
「作る人の顔」が求められるようになってきました。

そして私は、問屋さんとの付き合い方についても考えるようになります。

以前は、

生産者 → 問屋 → 小売店 → お客様

という流れでした。

問屋さんは在庫リスクを背負い、
オフシーズンにも注文を出してくれる、ありがたい存在だったのです。

ところが時代が変わり、

「注文が入った時だけ流す」

そんな“ブローカー化”する問屋さんも増えてきました。

でも、生産者側はそれでは困る。

春夏だけ忙しくて、冬は仕事ゼロ――では生活できません。

そこで私は、かなり生意気ですが(笑)

「年間を通して仕事を出してくれる問屋さんとだけ、お付き合いします」

とはっきり伝えるようになりました。

すると、不思議なことに、
こちらの考えを理解してくれる問屋さんとは、今でも長いお付き合いが続いています。

そして、この頃から少しずつ考え始めました。

「もう、自分で売っていく時代なんじゃないか?」

竹を編みながら、
そんなことを考え始めたのでした。

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