そもそも、何故竹細工をしているのか?(その23)~京都で撃沈…のはずが、伊勢丹で人生が動いた話~

そもそも、何故竹細工をしているのか?シリーズ

~京都で撃沈…のはずが、伊勢丹で人生が動いた話~

「もう、これからは自分で売っていく時代かもしれない」

そんなことを考え始めたのが1999年頃でした。

とはいえ、最初から大それた計画があった訳ではありません。

「とりあえず、どこかで個展でもやってみるか」

そんな軽いノリです(笑)

そこで京都の友人(むかしからの50年来の友)に相談すると、

「よし、任せとけ!」

と、何軒かギャラリーを紹介してくれました。

さっそく京都へ。

ところがですねぇ…
さすが京都。文化の都。芸術の都。

そして――なかなか手強い都(笑)

ギャラリーには大きく二種類あります。

  • 場所だけ貸してくれる「貸しギャラリー」
  • お客さんも呼んでくれる「企画ギャラリー」

でも、問題はその条件。

「場所代もいただきます」
「売上の4割いただきます」

……え? 両方!?

しかも、まだ無名の職人ですから、丁寧に“あしらわれる”感じ。

京都弁の柔らかさに包まれながら、しっかり心を折られました(笑)

腹の中では、

「京都なんかでやるもんかーーーい!」

と、半分ふてくされ状態。

そんな気分で京都駅へ向かい、新幹線まで時間があったので、前年オープンしたばかりの「京都伊勢丹」をちょっと覗いてみたのです。

すると――

8階のリビング売り場に、自分の作品が並んでいるではありませんか。

「あれ? うちの子たち、こんな所にいたの?」

問屋さん経由で全国に流れていたので、偶然の再会です。

近くにいた女性店員さんに、

「この作品、私が作ったんですけど…」

と声を掛けると、売り場のマネージャー、本間さんを呼んでくれました。

そこで、

「作品を扱っていただいてありがとうございます」

とお礼を伝え、今回の“京都ギャラリー撃沈事件”の話をしたのです。

すると本間マネージャーが、さらっと一言。

「高江さん、お盆に売り場作りますから、うちでやりませんか?」

……え?????

京都で個展を断られ続けた翌日に、
まさかの伊勢丹から直オファー。

人生って、急カーブがすごい(笑)

ただ問題が一つ。

お盆まで、あと2か月。

作品が無い。

いや、正確には――

「そんな大量に作る時間が無い!」

普通、職人というのは効率重視です。

同じ作品を5個、10個、時には100個単位で作ります。

でも展示会となると、

「種類を増やさないといけない」

つまり、

“2個ずつ違う作品を大量に作る”

という、職人泣かせの地獄モード突入です。

工房に戻るなり、弟子たち全員集合。

事情を説明して、

「みんな、力を貸してくれ!」

すると弟子たちも、

「やりましょう!」

と賛同してくれたのです。

こうして工房総出の“京都伊勢丹大作戦”が始まりました。

そして――

ここから、私たちの快進撃が始まることになるのです。

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