そもそも、何故竹細工をしているのか?(その24)~京都伊勢丹から、まさかのドイツ行き!?~

そもそも、何故竹細工をしているのか?シリーズ

~京都伊勢丹から、まさかのドイツ行き!?~

工房総出で挑んだ、京都伊勢丹での初めての実演販売。

たった2か月で作品をかき集め、なんとか売り場を完成させました。

期間は1週間。

弟子たちも頑張ってくれたし、売り場もなかなか良い感じ。

……なのですが。

終わってみると、

「うーん、思ったより売れなかったなぁ」

というのが正直な感想でした。

そりゃそうです。

今回は突然決まった催事。
DMも出していない。
広告も無し。

たまたま通りかかったお客様に見てもらっただけなのです。

「やっぱり難しいなぁ…」

と、少々しょんぼりしていたら、マネージャーの本間さんがやってきて、

「高江さん、凄いですよ!」

「今までの催事の中でもトップクラスです!」

と、まさかの高評価。

さらに続けて、

「来年の春、桜の時期にもぜひお願いします!」

京都伊勢丹にとって、桜シーズンは一年で最大級の勝負時。

そこに呼んでもらえるなんて、本当にありがたい話でした。

そこで私は、一つだけお願いをしました。

「今年は急だったので仕方なかったのですが、来年は広告に少しでも載せてもらえませんか?」

やはり、興味のある人に来てもらえるかどうかは大きい。

“たまたま通りかかった人”だけではなく、

「竹工芸を見たい」

というお客様に来てもらえたら、もっと面白いはずだと思ったのです。

そして迎えた翌春――。

これが、大当たり。

広告効果もあり、たくさんのお客様が来場。

予想以上の結果になりました。

そこから約10年間、毎年京都伊勢丹で催事を開くことになるのです。

さらに話は広がっていきます。

京都伊勢丹をきっかけに、新宿伊勢丹本店へ。

すると今度は、全国のデパートのバイヤーたちが、

「何か面白いものはないか?」

と、実演会場をうろうろ(笑)

催事担当者、ギャラリーオーナー、企画会社――

次々と声が掛かるようになりました。

ここから工房の方向性も、大きく変わっていきます。

それまで売上の95%は問屋さん経由。

でもこの頃から、

「自分で売る」

という比率がどんどん増えていったのです。

これは本当に大きかった。

問屋さん相手だと、

「これは売れない」

と言われた試作品は終わりです。

でも、自分の展示会なら違う。

「面白い!」

と思えば、自分で売れる。

だから弟子たちにも、

「どんどん新しいことをやれ!」

と言えるようになりました。

ただし、私は一つだけ決めていました。

“声が掛かった所に全部出ない”

こと。

自分たちは工場ではありません。

全部手作りです。

だから、

  • 関東なら伊勢丹本店、日本橋三越、横浜高島屋
  • 中部なら松坂屋本店
  • 関西なら京都伊勢丹と阪急

というように、“地域一番店”に絞って展開していったのです。

売れるからと無限に広げるのではなく、

「適正規模、適正利潤」

これを大事にしていました。

そんなある日。

京都伊勢丹で実演していると、ひときわ目を輝かせた大きな外国人女性が近づいてきました。

ドイツ人の女性です。

日本文化や工芸品が大好きだそうで、熱心に作品を見ています。

そして突然、

「ドイツに来ませんか?」

……え???

当時は翻訳アプリなんてありません。

こちらも半信半疑。

「はいはい、社交辞令かな?」

くらいに思っていました。

すると後日――

英語のFAXが届いたのです。

翻訳してもらうと、

なんとその女性、

ドイツの「シーボルト博物館」の理事。

つまり、

「ドイツに来ませんか?」

は、本気だったのです。

人生、どこで何が繋がるかわかりません(笑)

コメント

タイトルとURLをコピーしました