〜竹の訓練校編2・量か質か、それが問題だ〜
竹の訓練校生活も、いよいよ本格的になってきます。
最初の半年は、とにかく基礎。
籠の作り方、編み方、仕上げ方――いわば「竹細工の型」を体に叩き込む期間です。
だいたい一ヶ月に一課題。
同じものを、ひたすら繰り返し作ります。
これがまた、人によって差が出るところで、
・じっくり丁寧に作って3個くらいの人
・スピード重視で8〜10個作る人
と、バラバラ。
ちなみに私はというと――
丁寧さはそこそこ、スピード重視タイプ(笑)
おそらくクラスで一番数を作っていたと思います。
もちろん、丁寧さも大事なんですが、
職人にとっては「数をこなす」ことも非常に重要。
同じものを何度も作ることで、手が覚える。
頭で考える前に、体が動くようになる。
この反復練習こそが、職人への近道なんだと感じました。
そして半年が過ぎ、10月からは応用編へ。
ここから一気に空気が変わります。
基礎では全員同じものを作っていましたが、
応用になると――
30人全員が、それぞれ違う作品を作る。
まさに「個性の見せどころ」です。
というのも、その先に控えているのが、
「全国職業訓練展」
全国の訓練校から作品が集まり、審査される大きな展示会です。
陶芸、漆器、織物、建築、塗装……
ありとあらゆる分野の“職人の卵たち”が、自分の成果をぶつけてきます。
そんな舞台に向けて、各自「勝負の一品」を作るわけです。
さて、私は何を作ったかというと――
「花六つ目の飾り皿」
なかなか渋いところを選びました。

そして、ここからがちょっとした事件です。
……なぜか。
労働大臣賞、受賞。
いやいや、ちょっと待ってください。
さっきまで「数だけは作ってました」みたいな人間ですよ?
世の中、ほんとに分かりません(笑)
もちろん嬉しかったのは間違いないのですが、
どこか「本当にいいのかな?」という気持ちもあったりして、不思議な感覚でした。
そして年が明けると、現実がじわじわ迫ってきます。
もうすぐ卒業。
これまでのように、雇用保険での収入も終わり。
いよいよ、自分で稼がなければいけません。
今までは「学ぶ時間」だったものが、
これからは「生きていく手段」になる。
……これは、なかなかのプレッシャーです。
さて、どうするか?
竹で食べていくのか。
それとも、別の道も考えるのか。
少しずつ、“覚悟”が試される段階に入ってきました。


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