そもそも、何故竹細工をしているのか?(その5)〜研修生、そしてまさかの話〜

そもそも、何故竹細工をしているのか?シリーズ

〜研修生、そしてまさかの話〜

竹の訓練校を卒業すると、みんなそれぞれの道へ進んでいきます。

もともとクラスの半分くらいは「雇用保険目当て」で来ていた方々。
ですから卒業後は、竹とはまったく関係のない仕事へ。

一方で、残りの半分はというと――

ちゃんと竹の道へ進んでいきます。

中には、「青年海外協力隊」として海外へ行く人もいました。
竹工芸の技術を持って、フィリピンやケニア、ドミニカ共和国へ。

いやぁ、同級生が世界に飛び立つって、なかなかすごいことです。
竹、ワールドワイドです。

さて、私はというと。

ここで、竹職人としての基礎をまなびました。

訓練校のすぐ隣にあった
**「産業工芸試験場」**という施設に進みました。

ここは、大分県の地場産業――竹工芸や木工などの技術向上や人材育成を行う、いわば“職人の研究所”。

毎年、数名だけ研修生を募集していて、

簡単に言うと――

「本気で竹で食べていく人だけ、もう一段上を教えます」

という場所です。

もちろん、面接あり。
(このあたりから、ちょっと本気度が試されます)

研修のスタイルも年によってバラバラで、

・週2日で1年
・週3日で半年
・毎日で数ヶ月

など、試行錯誤の最中。

そして、私の年は――

毎日・4か月コース。

これが、結果的に大正解でした。

というのも、訓練校のときは雇用保険があったので生活はなんとかなるのですが、卒業したらそれも終了。

1年コースだったら……正直、生活が持ちません(笑)

でも4か月なら、ギリギリ耐えられる。

「短期集中で、一気に身につけるしかない」

そんな覚悟で、研修生になりました。

そして実際に入ってみると――

世界が違う。

まず、スピードが違う。

作業の段取り、材料の置き方、動き方。
すべてが「いかに速く、正確に、美しくできるか」に向いています。

ちょっとでも無駄があると、すぐ指摘。

「そこ、動きが一つ多い」
「その置き方では次が遅れる」

……なかなか厳しい(笑)

でも、このとき叩き込まれたことが、今でも体に染みついています。

本当に、ありがたい経験でした。

そして4か月後。

いよいよ「竹細工で自営業スタート!」……のはずだったのですが。

ここで、人生はちょっと横道にそれます。

研修終了の1か月前。

試験場の場長から呼び出し。

「ちょっと話があるんだけどね」

……この時点で、なんとなく嫌な予感も、いい予感も半々(笑)

そして出てきた話が――

「広島県竹原市の職業訓練校に、竹工芸課があるんだが……
君、講師やってみないか?」

……え?

いやいや、ちょっと待ってください。

ついこの前まで学生ですよ?

人生、本当に何が起こるか分かりません。

さて、この“まさかの講師話”、どうなるのか。

続きは次回。

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