息子たちと作った、世界に一つだけのピザ窯
我が家の裏庭には、自慢のピザ窯があります。
来客があると、「今日はピザにしましょう!」が合言葉。この窯のおかげで、庭はたちまちピザ屋さんになります。
でも、このピザ窯、ただ「ピザが好きだから」作ったわけではありません。
きっかけは、「息子たちと一緒に、何か形に残るものを作りたい。」そんな父親の、ちょっとした夢でした。
当時、長男は大阪で学生生活、次男は大分市の高校の寄宿舎暮らし。家族全員が揃うのはゴールデンウィークくらいです。
せっかく全員集合するなら、テレビを見て終わるより、一緒に汗を流したい。
さて、何を作ろうか…。
食いしん坊一家ですから、答えは意外と早く出ました。
「ピザ窯を作ろう!」
妻は普段からパンを焼き、ときどきピザも生地から手作りしてくれます。だったら、本格的な窯があればもっと楽しいじゃないか、というわけです。
とはいえ、作るとなれば大仕事。
ネットで先人たちの知恵を借りながら、耐火レンガ約200個、外側を覆う赤レンガ約500個を準備。煙突や鉄の扉も用意して、基礎は1.5メートル×3メートルのコンクリート打ち。
「ピザを焼くだけなのに、家まで建ちそうだな。」
そんなことを思いながら準備を進めました。
そして迎えたゴールデンウィーク。
息子たちが帰省し、親子三人で耐火セメントを練りながら、一段一段積み上げていきます。
もちろん全員素人です。
レンガは少し曲がるし、目地も揃わない。
プロが見れば、「もう少し真っすぐ積めますよ」と言われそうですが、それでいいのです。
この窯は作品ではなく、家族の思い出そのもの。
歪みの一つひとつに、「ああでもない、こうでもない」と笑いながら作業した時間が詰まっています。


あれから10年以上。
今でも来客があるたびに、このピザ窯は現役で大活躍しています。
焼きたてのピザはもちろん美味しいのですが、一番のごちそうは、窯を見るたびによみがえる家族みんなで過ごしたあのゴールデンウィークの思い出かもしれません。
「世界に一つだけのピザ窯」。
少々不格好でも、それが我が家の自慢なのです。





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