竹の調達について(4)〜製竹・油抜き編(いよいよ本番)〜

竹工芸

竹の調達について(4)〜製竹・油抜き編(いよいよ本番)〜

前回は、窯づくりや干場づくりなど、「準備だけで一仕事」という話でした。
今回はいよいよ本番、油抜きの作業に入ります。

まずは、お湯を沸かすところから。

……といっても、薬缶でコトコト、なんて可愛い話ではありません。

400リットル。

もはや「お湯を沸かす」というより、「風呂を一つ作る」くらいの勢いです。
これを約2時間かけて、じっくり沸騰させます。

お湯ができたら、そこにソーダ灰と粉せっけんを投入。

一般的な竹屋さんでは苛性ソーダを使うことが多いようですが、これはちょっと環境への影響が気になるところ。
というわけで、私のところでは少し優しめの“配合”にしています。

ぐらぐらと沸騰してきたところで、いよいよ青竹の出番。

一節付きで約80センチの竹を、一度に40本ほど投入します。

当然ながら、お湯の温度は一気に下がるので、再び火をくべて再沸騰。
そこから約15分、しっかり煮込みます。

するとどうなるか。

竹の中に含まれている油分が、じわ〜っと表面に浮かび上がってきます。
まるで「隠していた本音が出てきた」みたいな感じです(笑)

そしてここからが勝負。

窯から竹を引き上げたら、間髪入れずに拭き上げ。

これが遅れると、せっかく出てきた油がまた残ってしまい、美しい竹にはなりません。

しかも、当然ながら――

めちゃくちゃ熱い。

触るたびに「熱っ!」となりながらの作業です。
職人というより、ちょっとした耐熱訓練です。

ですが、このひと手間をしっかりやると……

あのくすんだ青竹が、見違えるように変わります。

風雨で汚れていた表面が、すっと抜けるような薄緑色に。
まるでヒスイのような、なんとも言えない美しさです。

この瞬間は、何度やっても「おお…」と見とれてしまいます。

ただし、ここで気を抜くとすぐに台無し。

茹でたばかりの竹は柔らかく、とてもデリケート。
竹同士を軽くぶつけただけでも、すぐに傷がついてしまいます。

まるで扱いは“高級品”です。

拭き上げた竹は、トラックに積んで干場へ移動。

あらかじめ打ち込んでおいた約250本の杭に、一本一本差し込んでいきます。
南向きに並べて、しっかり日光を当てるのがポイントです。

最初の年は、ただの雨ざらしの場所で干していました。

……が、これが問題。

干している間に何度も雨に当たると、せっかくの色がいまひとつに。
「うーん、惜しい…」という仕上がりになってしまいます。

そこで昨年から、思い切ってビニールハウスを設置。

これで雨の心配はほぼなし。
安心して干せるようになりました。

ただし、ここで新たな発見。

直射で干すのと、ビニール越しで干すのでは、どうも太陽光の“効き方”が違うらしく、少し乾くのに時間がかかるようです。

まあ、それでも雨に振り回されるよりは、ずっと気が楽です。

こうして、一本一本手をかけながら、竹はようやく“使える材料”へと変わっていきます。

ここまで来て、やっとスタートライン。

さて次は、この竹がどうやって形になっていくのか。
竹との付き合い、まだまだ続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました