夏のロード最終地、そして経営の師匠「イチローさん」
約2週間にわたる「夏のロード」も、
いよいよ最終地・大阪へ。
旅の締めくくりは、
「政七会」への参加です。
5月頃だったでしょうか、
中川政七商店から案内状が届きました。
「政七会」とは、
中川政七商店が主催する、
全国の作り手や取引先の集まり。

1716年創業。
奈良晒から始まり、
工芸と共に300年以上歩んできた会社です。
そして2007年、
「日本の工芸を元気にする!」
という大きなビジョンを掲げ、
今や全国70店舗近く、
取引先800社以上、
社員600名超、
売上100億円規模へ。
……いやもう、
工芸界の巨艦です。
しかも、
単に「売れました!」という話ではなく、
「100年後に工芸をどう残すのか?」
という視点で動いている。
これは、作り手としても非常に興味深い。
ちょうど私は「夏のロード」で名古屋滞在中。
日程は7月9日。
地理的にも時間的にも、
「これは行けということだな」
と勝手に解釈し(笑)、
参加することにしたのです。
16時から政七会、
その後レセプション、
さらに懇親会。
……つまり、
長い(笑)
しかし、
せっかく大阪まで行くのなら、
どうしても会いたい人物がいました。

その名も――
「イチローさん」。
もちろん、
野球のイチローではありません(笑)
私にとっては、
“経営の師匠”のような存在です。
出会いは十数年前。
突然一本の電話がかかってきました。
「あなたの作品を海外の方に販売したいのですが、一度伺ってもいいですか?」
そして現れたイチローさん。
着物や古着を仕入れ、
海外向けサイトで販売しているという。
海外のお客様から、
「日本の古い物だけでなく、新しい工芸品も欲しい」
という声があり、
日本工芸専門のサイトを立ち上げたいとのことでした。
話してみると、
商売の話以上に、
私は“この人そのもの”に興味を持ってしまった。
男前ではある。
でも、
ぼそぼそ喋る。
少し滑舌も怪しい(笑)
いわゆる“押しの強い成功者タイプ”ではない。
しかし、
裏表がない。
「あ、この人は信用できる」
直感的にそう思ったのです。
その後、
取引を続けながら、
私はどんどん驚かされることになります。
この人、
考え方が凄い。
もともとはデパートのリビング部門勤務。
工芸催事も担当していたそうです。
ところが40歳頃、
突然会社を辞め、
古着ビジネスで独立。
ここで私は聞いてみたのです。
「イチローさん、どうして成功したと思います?」
すると、
実に面白い答えが返ってきました。
イチローさんは京大卒。
英語もできる。
でも、
英語ができる人なんて山ほどいる。
古着業界には、
もっと凄い目利きも山ほどいる。
ネットに詳しい人だって、
オタク級がいくらでもいる。
つまり、
どれ単体でも勝てない。
でも――
「英語ができて、
ネット販売ができて、
古着の知識がある人」
この3つを全部持っている人は、
当時ほとんど居なかった。
だから、
そこを組み合わせて、
オンリーワンになった。
なるほどなぁ……と、
膝を打ちました。
一点突破ではなく、
“掛け算”。
これは、
ものづくりにも通じる考え方です。
その後、
イチローさんは瞬く間に、
年商数億円規模の会社を築き上げました。
しかも、
会社立ち上げ当時の日記が、
『僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと』
という本になっています。

これがまた面白い。
これから起業したい人には、
ぜひ読んでほしい一冊です。
私自身も、
海外販売、
ネット販売、
経営全般……
本当にたくさんのアドバイスをいただきました。
ありがたい存在です。
イチローさんは富田林に住んでおられるので、
今回も時間を作っていただき、
お昼をご一緒することになりました。
ちなみに前回お会いした時は、
ポルシェ・カレラで登場。

いやぁ……
似合う(笑)
さて今回は、
どんな話が飛び出すのか。
経営の話か、
人生論か、
それとも車談義か。
夏のロード最後のランチ、
かなり濃い時間になりそうです。


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